1000PPM倶楽部



換気の管理はなぜ、1000PPMなの?

換気が不十分な場合、感染者の呼気に含まれるウィルスが空気中を漂い、ウィルスを吸う量が多くなることで新たな感染につながります。
空気中の二酸化炭素濃度は0.04%程度ですが、呼気にはCO2が3~5%と多く含まれていることから、CO2濃度を測定することによって、感染者が室内にいた時の空気中に漂うウィルスの量のレベルが分かります。
1970年に制定されたビル管理法では、安全や健康維持の観点から、環境衛生管理基準を1,000PPM(0.1%)と定めました。感染症対策としての換気の指標として使うことを意図したものではありませんが、1,000PPMが感染症対策における有用な換気の目安であることが広く認識されています。


学校では...
海外における調査で、CO2濃度が1,000PPMを超える室内では、感染リスクが高まるだけでなく、「集中力」や「労働生産性」が低下 するなど、健康との相関も多数報告されています。
欧州の教育機関では、既にCO2濃度を測ることが当たり前の世の中になってきているとの指摘もあります。

車の中では...
運転中の眠気の主な原因はCO2濃度です。
空調は内気循環モードと外気導入モードが選択式になっていますが、冷暖房時でも外気導入モードを選択しましょう。
外気導入モードを選択すれば、冷暖房効率は落ちますが、車内を1,000PPM以下に保つことがほぼ可能となります。

就寝中でも...
自宅の寝室で換気の無い状態でドアを閉めて寝ていると、朝には1,000PPMを大幅に超えてしまいます。
CO2濃度が低くなるほど睡眠の質が改善し、翌日の眠気が少ないというデンマークの研究データもあります。
1000PPM倶楽部のライフスタイル

春と秋はできるだけエアコンを使用せず、窓開け換気を行うことが、CO2を排出しない健康で快適な暮らしとなります。
夏や冬のエアコンを使用する際には、CO2濃度が1000PPMを超えないように、換気のON/OFFや強弱の調整を行うことで、電気代の節減を行います。
そして、どうしても1000PPMを超えてしまう時には、窓開け換気も行います。
24時間換気が導入されていれば、各部屋を閉め切らない限り、1000PPMを超えないのが通常です。

外出時には常にCO2濃度に注意し、1,000PPMを超える場所には長くいないようにしましょう。
CO2濃度に配慮していない施設はできるだけ避け、1000PPM倶楽部参加の施設を積極的に利用しましょう。


CO2濃度に配慮していない施設はできるだけ避け、1000PPM倶楽部参加の施設を積極的に利用しましょう。
エアコン使用時でも、飲食店や保育園、教室や交通機関など、人が多い環境では機械換気だけではCO2濃度がどうしても1000PPMを超えてしまう場合があります。そんな時には、電力使用量が増えてしまいますが、機械換気に加えて窓開け換気が必要になります。
飲食店で換気の中心がキッチンの場合などは、キッチン使用時に常に換気を行うため、換気の管理が難しい環境もあります。
マンションの廊下などの共用スペース、来館施設、オフィスの一部空間などでは、空間の広さに対して人口密度が低いため、換気管理による電気代節減に積極的に取り組むことが望まれます。
1000PPM倶楽部の考え方が広まると



新築におけるいい家の基準が変わり、断熱と換気の両方を満足させた家が増えます。
これまでの24時間換気の建築基準(1時間あたり0.5回以上)ではなく、新築では1,000PPM以下(1人当たり30㎥/h以上)が新たな基準となるかもしれません。
CO2センサーを活用して電気使用量に気を配り、換気のON/OFFを行うと同時に、睡眠中も含めて自宅内のCO2濃度を1,000PPM以下に保つようになります。
換気ができない部屋は、できるだけ入口の戸を開けるようにします。
CO2センサーにより、お店や施設内のCO2濃度をお客様に開示することが当たり前になります。

不特定多数が利用する施設(公共施設、博物館、美術館など)では、見える場所にCO2センサーを設置し、CO2濃度が1000PPM以下であることを確認してもらえるようになります。

オフィスの会議室、打ち合わせスペースでも十分な換気機能を備えるようになります。難しい場合には空気清浄機を設置します。